泣かせる長編サスペンス
ANGEL HANDS
シリーズ全エピソード完結!

遂に待望の電子書籍化、
絶賛発売中!!




■EPISODE 1 「エンジェル・ハンズ」

※書籍化に伴い、当サイトでの閲覧は終了致しました。
何卒ご容赦下さいますようお願い申し上げます。
「ファイアー・ウォール」「タイム・キラー」は引き続き閲覧可能です。

恵比寿五差路に近い一軒のロックバー。
店の“テンシュ”と常連客には、共通の不幸な過去が生んだ秘密の固い絆があった。
彼らが命を懸けて立ち向かう“鬼”とは?
■EPISODE 2 「ファイアー・ウォール」

〜悲劇の始まりは1999年の大晦日だった〜

恋人と肉親を一度に殺められた少年は、
やがて仲間と出会い、理不尽な犯罪と闘う“防火壁”となることを誓う。
不完全な法が、その許されざる犯人を野に放った時…。
 
■EPISODE 3 「タイム・キラー」

〜私は“愛”のために“時”を殺した〜

1980年に起きた少年誘拐事件。身代金を運んだ父親は、二度と戻ってはこなかった。
時効成立直後、発見された三つの遺体。
昭和と平成、二つの時代の運命が再び交差したとき
そこに見えた驚くべき事実とは?

■SPIN-OFF STORY 「ディープ・フォール・ブルー」

〜誰かを想う気持ちは、晩秋になりやっと熟成する〜

R15 ストーリーに一部暴力的な表現が含まれますのでご注意下さい。

2011年04月18日

#82 エピローグ

story by ワダマサシ



「もういいでしょう。一杯飲ませてくれませんか」山上がめずらしくアルコールをリクエストした。「さすがに疲れた…現場で悪党を追いかけ回してるほうがよっぽど楽だ」
「何にいたしましょう?刑事さん」テンシュが労(ねぎら)いの気持ちを込め、バーテンのように応じる。「ギムレットはいかがです?甘くないヤツを作りましょうか」
「ギムレットか…」意外にも、山上はレイモンド・チャンドラーの探偵小説のお約束を知っていた。「フィリップ・マーローですね?」
「“タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない”」高野が補足する。「…でしたっけ?」
「でもその台詞、オレなんかより今宵は諏訪季一郎に捧げたい気がするよ」
「さて、お疲れのところ大変恐縮ですが…」AZが山上に言った。
「なんだ?まだ知りたいことがあるのか?」刑事は肩をすくめた。
「はい、これを訊かないことには眠れません」AZがおもむろに訊ねた。「保さんが現場に持っていった身代金の500万円は、いったいどこに消えてしまったんでしょう?」
「プッ…!」刑事が口先に含んだばかりの透明な液体を噴き出した。「やっぱり知りたいか」
「当然でしょう」
「さすがのオレも、諏訪季一郎に訊いたよ…」山上は一旦言いかけて、口ごもる。「ねえ、どうしても知りたい?」
「もったいつけずに、教えてくださいってば!」
「ああ、オレの退職後の夢が消えていく…」
「え?まさか…冗談はやめてくださいよ」AZが言った。「Dの29番にまだ埋まったままとか?!」
「さあ。季一郎も正確には答えなかったんだ」
「ジラさないで!」
「彼はポツリとヒントを語った」
「なんて?!」
「契約は、まだ続いているって…」
「け、契約?別荘地と時計の売買を制限する、例の契約のことですか?」
「そうさ」
「今のところの最後の取引は、つい先日履行された…」AZが頭のノートを開き、再確認する。「“諏訪季一郎にしか別荘地を売らない”という先代から受け継いだ契約に従い、富沢正吾が彼にDの29番を売却しました。それですべて終わったんじゃないんですか?」
「なんと、まだ履行されていない付帯条項があったんだ」山上が仰々しく言った。「諏訪季一郎は、例の“置時計”を現在の所有者である富沢正吾が“売る場合の制限”を規定していた」
「なんですって!?」
「“ある人以外には、あの時計を売ってはならない”とね」
「ある人ってまさか…!」
「そのまさかだ。あの時計は、坂東和江さんにしか売れないようになってるのさ。和江さんは、あの時計を買いたくなったらいつでも買う権利を持っているんだ」山上は、念のため一言付け足す。「もっとも、本人はそんな契約があるなんてまだ知らないけどね」
「いくらで?」
「いくらでも。和江さんの好きな値段でさ」山上は言った。
「おばさんが時計を買う?なんのために?」深田アオイが目を丸くして訊ねた。
「いいかい、500万円の札束なんて、嵩(かさ)にしたらたったの700cc、牛乳瓶3本分だ。空間をどう使うかが専門の時計師なら、“どこにだって” 隠せると思わないか?」
「そういうことか…」AZが言った。
「事件のあった翌週、季一郎は博物館に行ったそうだ。“時計の調整”にな…」山上は言った。「これ以上、オレに何も言わせるなよ」
「オレ、明日那須まで時計を見に行きたくなってきた…」高野が言った。
「オレも行きますっす」雄太が手を挙げる。
「コラコラ…」苦笑いの山上がギムレットを飲み干した。


8月25日、坂東和江は無事に退院して自宅療養の段階にまで回復していた。
その頃には、和江の心にずっと燻っていた事件の傷跡も、切除した病巣ととも徐々に小さくなり、癒されていくのを感じられるまでになっていた。
もう一人の事件の当事者諏訪季一郎は、まだ本郷の旅館に滞在しながら、日本に生きた自分の痕跡の全てを整理し、完全にスイスに移り住む準備を進めていた。
ある日の午後、季一郎の携帯電話に片岡弁護士から連絡が入る。
「もしもし、室伏京輔君がキミにどうしても面会したいそうだ」
「なんだって…?」季一郎は戸惑いを隠せない。「あの子は全てを知ったんだろうか?」
「ああ。でも彼はもう子供じゃない。そんなにヤワじゃないさ」白髪のエジソンは言った。「四十九日の法要を“父子”二人だけでやりたいそうだ」
「志都子の納骨をしようというのか…?」
「法的な手続きは、オレが抜かりなく全てやる」弁護士は言った。「9月14日の日曜日、別荘地でお前とどうしても対面したいそうだ」
「あの別荘地で?」

まだ夏の名残の残る、高原の晴れた午後。
幸せの郷D区29番別荘地で、“親子”は初めて言葉を交わした。
「ほ、本当に苦労をかけて悪かったな…」
「なにを言っているんですか!」京輔は父を見て何度も首を横に振った。「本当に、本当に助けてくれてありがとう…!」
父子は山桜の根元で、固く手を握り合っていた。

「気が済むまで話すがいい…」
二人だけの気が遠くなるほど長い会話を、遠くから片岡弁護士が眺め続ける。
――ザ、ザザー…。
心地いい秋風が、川音を連れてきた。
背の高い若者が、年老いた野武士のような老人に白い封筒を手渡したのが見える。
季一郎が風にたなびく便箋を凝視してから、がくりと膝をつき泣き出した。
若者がその肩を抱き、二人の影は一つになったままゆらゆらと揺れ続けた。
気が済むまで泣くと、京輔が鞄の中からフェルト地で出来た赤い小箱を取り出す。
二人はそっと中のものを見て手を合わせた。
次の瞬間…。
山桜の根元に箱の中のものがサーッと撒かれ、辺りに季節外れの花吹雪を作った。
「さようなら…。ありがとう」
花びらに呼びかける親子の声が、片岡の耳に小さく聴こえた。

「京輔、オレは明後日スイスに戻るよ」季一郎は言った。「もう、日本には帰らないつもりだ」
京輔は何も語らずに、父を見る。
「お前にこれを持っていて欲しい」
そう言うと、季一郎は左腕のロンジンを外し京輔に手渡した。
「ロンジンの13ZNフライバック。“もう一人の父親”が、お前を守るために地中でずっとはめていた時計と一対になるものだ」
京輔は、声も無く泣き出した。
「親子の証として、これをはめていてくれ…」
永遠に続く滝の音が、哀しく別荘地に響いていた。


小説「タイムキラー」 <完>




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2011年04月16日

#81 ザ・タイム・キラー

story by ワダマサシ



京輔へ。
私は、もうすぐやっとこの世から消え去ることができるのだと感じています。
定期的に襲ってくる発作の間隔は次第に短くなり、
痛みは日に日に深く長くなっているようです。
痛みがやって来る度に、私は過去に引き戻され、
耐えがたい罪悪感に苛まれます。
それは、私が過去に犯した罪に対し、神様が与えた罰なのでしょう。
最近では、痛みが去った後に自分を見失うことがしばしば起こるようになりました。
自分が自分でなくなっていくのは、何よりも恐ろしいことです。
だから、正気でいられるうちに、あなたに言いたかったことを書き残そうと思い、ペンをとりました。
あなたを授かり育てる事が出来て、本当によかった。ありがとう。
私はそのお陰で、人を愛することを初めて学ぶ事ができたのですから。
少女の頃、愛は自分に与えられるものだとあたりまえのように考えていました。
その思い違いこそが、私を間違った方向に走らせたのです。
本当は、そうではなかったのですね。
愛は、自分を犠牲にして人に与えるものだった。
それを身をもって教えてくれた人がいます。
あなたの命をこの世に運んできたその人の名は、田所茂生といいいます。
汚れない心を持った青年、あなたの本当の父親です。
彼はあなたを守るため、
15年という長い間、地中で犯罪者の汚名を甘んじて受け続けたのです。
そしてもう一人。
消えそうだったあなたの命を救った人がいます。
諏訪季一郎、あなたが今まで父親だと思っていた人です。
彼は、私が犯した罪をタイムカプセルに封じ込め、地中に埋めました。
そして、全ての罪を将来自分一人でかぶるために、
海外で孤独に耐え、ひたすら“時間を潰し”、私たちを守ったのです。
あなたは、二人の父親に無償の愛を与えられたことを、絶対に忘れてはいけません。
最後に一つだけお願いがあります。
那須に“幸せの郷”という別荘地があります。
私が死んだら、そのD区29番の大きな桜の木の根元に散骨してください。
私が大切にしていた人たちが、かつて眠っていた場所で、
一人で眠るわがままをどうか許してください。

母、志都子より。
―――――――――――――――――――――――――
ロッカールームでもう一度母親からの最後の手紙を読み返すと、室伏京輔は和江の待つ手術室に向かった。


「他にお訊きになりたいことは?」弁護士が刑事に言った。
「あと二つほど…。あの桜の写真の絵ハガキを投函したのも、志都子だったのですね?」
「はい。3人の遺体をあそこに放置し続けることに、彼女は耐えられなかった」季一郎は言った。「結果的にハガキが和江さんに恐怖を与えたことは事実ですが、目的は脅迫ではありませんでした」
「あそこに山桜の苗木を植えたのは?」
「私です…」季一郎は言った。「事件のあった翌年だったでしょうか。スイスに旅立つ事になり、数十年分の花をまとめて献花するような気持ちでした」
「なるほど…」刑事は長い息を吐き、尋問を終わらせた。「どうも長い時間、ご協力ありがとうございました」
季一郎も役目を終え、安堵の嘆息をつく。
「そうだ…」山上は思い出したように付け加えた。「タカシ君が志都子になぜ従順だったか、知りたいですか?」
「は、はい。そのことは、ずっと不思議に思っていました」
「彼もまた、子供ながらに彼女に恋をしていたんです。シゲと同様にね…」
「そ、そうでしたか…」季一郎は目を伏せる。「でも、よくそれがわかりましたね」
「坂東和江さんがそう証言されました」
「和江さんが?そうですか…」季一郎は事実をかみ締めるように間をあけてから、おもむろに訊ねた。「…彼女は、お元気にしていらっしゃいますか?」
「丁度今頃、ガンの手術をされていますよ」刑事は言った。「あなたの息子さんが助手を立派に勤めているはずです」
「なんですって!?」季一郎はこの日一番の驚きを見せる。「なんという…、なんという運命の悪戯だ」
「息子さんには、お会いになるおつもりですか?」山上が季一郎に訊ねた。
「いえ、やめておきます。これからのことは、片岡先生に全てをお任せすることにします」季一郎は小さな声で言った。


――午後9時。五差路BARエンジェル・ハンズ。
「今晩は…」
山上が店に入っていくと、同心の全員が集まり尋問者を待ち構えていた。
「あんまりレディを待たせないでよ…」慶子が言った。
「すみません。ちゃんと話しますから…」山上は言った。「その前に教えてください。和江さんの手術はどうだったんですか?」
「朝11時から始まって、結局4時間もかかってしまって」佳美が、刑事に要点を伝える。「和江さんは、夕方6時過ぎに術後管理病棟でやっと目覚めました」
「それで?」
「安心してください。手術は成功です。心配された肝臓への転移も認められませんでした」
「よかった…!」
「術後の面倒は、私がバッチリやります」深田アオイが言った。「もう大丈夫よ」
「室伏先生の様子は?」山上は言った。
「しっかり責務をまっとうし、晴れがましい表情でオペの結果の説明をしてくれました」AZが言った。「遺書を読んで、少なからず動揺したはずなのになあ」
「遺書?そうか、あの小箱にはそんなものが入っていたのか」テンシュが言った。「真実を受け止めてそれを消化したのだとしたら、大した男だ」
「それで、季一郎はなんと?」AZが刑事に今日の本題を催促する。「もったいぶらずに早く教えてくださいよ」
「事実は、想像を遥かに凌駕していた…」
山上はそう前置きをして、先ほど聴いた驚くべき告白のすべてを1時間ほどかけて皆に伝えた。

「信じられない…」腕組みをして考え込んでいたAZが、ポツリと呟いた。「誘拐殺人事件だと誰もが疑わなかった出来事が、衝動的な無理心中だったとは…」
「森の中で姫に従う、純粋な二人の僕(しもべ)か…」高野が言った。
「まるで、白雪姫とそれを囲む小人達みたいだ」雄太が言った。「姫の方が毒を持っていたところが、かなり斬新だけど」
「なんだよ、その言い方…」AZがすかさず突っ込む。
「オレは、二人の健気な行動に涙が出そうになった」刑事が白状した。「志都子を本当に慕っていた。そのことが悲劇に繋がるなんて」
不意に敬虔な沈黙の時が訪れる。
「法律の規定する15年では、子供は真実を受け止められるほど成長できない」AZが沈黙を破り言った。
「そう考えて季一郎はスイスに渡り、たった一人で時効を28年にまで引き伸ばしたのか…」鳩が目じりに零れた涙を拭う。
「彼が命を守った子供が、巡り巡って被害者の遺族を助けるなんて」慶子が言った。
「時計屋さんが暇なんじゃない」AZが言った。「暇を求める人が時計屋になる…か。でもまさか、これほど長い暇つぶしがあるとは…」
「ねえ、暇つぶしって英語でなんて言うか知ってる?」バイリンガルの菜穂が皆に尋ねた。
「KILL TIMEでしょ?」慶子が答える。
「そうか…」テンシュが天井を見上げる得意のポーズで言った。
「諏訪季一郎は、文字通り真の『タイム・キラー』だったわけだ…」



いよいよ最終回#82 エピローグに続く…

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2011年04月15日

#80 流浪の民

story by ワダマサシ



窓の西日が季一郎の手元にゆっくりと迫ってきた。
「薄暗くなりかけた別荘地の森で、志都子は子供を捜し求めてやっと辿り着いた保さんと向かい合ったのです」季一郎は外を見て言った。
「保さんは、さぞ驚いたことだろう…」山上は訊ねた。「シゲはその時どこに?」
「川原に横たわるタカシの傍らで、まだ放心していたと思います」

 †
「し、志都子さん…!?」目の前に現れた予想だにしなかった人物を見て、保は我が目を疑った。「なぜ、ここに?」
「なんですって?一緒にここに来ようと誘ったのは、あなたの方じゃない!」
「何を言っているんだ?気は確かか?」皆目意味が判らない保は、大声で叫ぶ。「まさか…!?タカシを返せ!シゲをたぶらかしたのは、お前なのか?」
風向きが変わり、せせらぎの音が急に大きくなる。
「た、たぶらかした…」志都子は血相を変えた。「ひどい…。いつだって、あなただけを想い続けていたのに」
「思い違いも甚だしい!早くタカシを返せ!」保は、志都子にジリジリ迫ろうとする。
「あなたは、あれを思い違いと言うのね!」膨れ上がった未練心は遂に志都子に一線を踏み越えさせた。「そこを動かないで!子供を助けたかったら、これを飲み干しなさい!」
志都子は、大量の睡眠薬が溶け込んだ瓶をゆらゆら揺すって見せた。
「なんだって?」保は子供の生命を量りにかけられ、身体を竦ませる。「タカシはどこにいる?!お願いだ、タカシに手をかけないでくれ!」
「ほら、これを飲んで!飲め!飲むのよ!」志都子は、自分も一口だけ飲み込んで見せる。「ね?一晩だけ、ここで私と眠りましょう。そうすれば、子供は助かるわ」
「本当か?本当なんだろうな…?!」子供を生贄にとられた父親は、成す術もなく志都子の言葉に従っていた。

 †
「唯一、追い詰められた志都子が漠然とイメージしたのが、保さんと山桜の下で愛に殉じて死ぬことでした」季一郎は言った。「でも、あそこで会うだけで全てが終わり、誰も死なずに済んだかもしれないのに…」
「全ての出来事が、破滅に向かって一気に進んでしまった…」山上がポツリと言った。
「はい…。志都子は、なぜか縄を用意していた。置き時計を梱包した残りを、店で見つけたのでしょう。これも最悪の方向に事態を進ませる原因を作ったのです」

  †
睡眠薬のせいで、志都子の行動の全ては燃え盛る情念が支配していた。
「シゲ…。保さんを縛って」志都子は言った。「この縄で動けなくするの。私からもう絶対に逃げられないように」
「旦那さん…!旦那さん!」シゲは、保を揺すって起こそうとする。「死、死んでいるようだ…」
「いいから縛って!きつく、きつく縛って!」
シゲは言われるままに、夢中で保の体を縛る。
昏睡状態の保の身体の動きは、縄の束縛でそのまま完全に封じられたしまった。

空には、薄い三日月。森の中はすでに漆黒の闇で充たされていた。
志都子は朦朧とした意識のまま、終わりの時を静かに受け入れる準備を始める。
「さあ、お墓を掘りましょう…」

 †
「志都子は少し保さんの傍で眠ったといいます」季一郎は言った。「一方、シゲはその間中、忠実に穴を掘り続けたのです」
「あなたは、その時どこに?」山上は言った。
「博物館で、買主の親子と宴席を囲んでいました。もちろん何も知らずに…」

 †
大きくなった川音が、志都子を浅い眠りから目覚めさせた。
山桜の根元には、すでに墓穴が用意されている。
「二人をそこに寝かせて」
叱られた子供のように哀しい目をした若者が、唯一の友達だった少年の身体を抱き上げて穴の中に安置する。
次に保を肩に担ぎ、そのすぐ隣に寝かせた。
終わるとシゲは月を見上げ、永遠に行き場を失った流浪の民のように、大声で泣き始めていた。
志都子はその様子をボンヤリと眺めながら、小瓶に入った最期の薬を取り出して呟いた。
「さようなら…」

 †
「志都子が小瓶を呷ろうとした寸前に、シゲがそれを奪いとり全部飲み干してしまった」季一郎は言った。「中味は、“青酸カリ”でした」
山上は、山中の修羅場を想像し溜息をつく。
「志都子は3人の遺体を前に、絶望してあなたを呼んだわけか…」
「はい。“自分を墓に埋める人間”がどうしても必要だったのです」季一郎は言った。「駆けつけた私は、その惨状を見て、せめて救える命のために犯罪を封印する決心をしました」
「救える命…?志都子さんのことですね?」
「はい。それともう一人。志都子の胎内にいた京輔もです」
「あなたは自分のお子さんも助けたと…」
「実は…」季一郎が言った。「京輔は、私の子供ではなかった」
「…?」
「田所茂生の子供でした」
「シゲの…?」
「はい。私を28年の間苦しめ続けてきた光景があります」季一郎は、溢れる涙を拭おうともしない。
弁護士が、ハンカチを季一郎の前にそっと置いた。
「森につくと、“二つ”穴が 掘ってありました」季一郎は言った。「私には最初その意味がよくわからなかった」
「二つ…」
「シゲは志都子が寝ている間に、親子のための大きな墓と、もう一つ…」季一郎は言った。「“自分のための墓穴”をそっと掘ったのです」
「自分の…?!」
「少し離れたところに掘られた小さな穴が、天涯孤独だったシゲの人生のように寂しそうで切なかった…」
季一郎は、机に頭をつけて号泣を始めていた。
「シゲは毒薬を飲むと、その穴に真っ直ぐに駆けていったそうです」季一郎は言った。「どれほど寂しく悲しかっただろう。本当は、シゲはあの時もう“一人ぼっちじゃなかった”のに…!」


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2011年04月14日

#79 真実の森

story by ワダマサシ



「西那須野駅の伝言板に、タカシ君は何と書いたんですか?」
「別荘地の地番です。『幸せの郷、D29 隆』」季一郎は言った。「多分、そんなところでしょう」
「そんな簡単な伝言を?」
「志都子は、それだけで保さんが目的地がどこだか判ると信じていたのです」
「その後二人は?」
「タクシーを使い、すぐに別荘地に向かう手筈でした」
「せめて保さんが那須に向かったことを自宅に知らせていれば、運転手の目撃証言が得られただろうに…」刑事は悔しそうに言った。

 †
「タカシ、上手く書けたな。秘密の暗号みたいだ」感心したシゲが、伝言板の前で少年に言った。「昔、こんな映画を見た気がする…」
「お父さん、びっくりするだろうな」タカシが言った。「でも、ボクの字だってすぐにわかるから、冗談だってバレバレだ」
「ははは。おまけに名前まで書いているしな」シゲは少し笑い、急に孤独な真顔に戻った。「でも、オレは叱られる。やっぱり、お店には戻れない…」
「ボクが頼んであげるから、大丈夫だって」タカシは、ずっと年上の相棒を励ました。「さあ、早く行こうぜ。桜の木のあるところへ」
タクシーの窓から見る田園風景は、二人を心から楽しい気分にさせた。
「キレイな景色だ」タカシが言った。「遠足で行った高尾山によく似ている」
「オレの生まれたところは、家の周り中こんなだよ」
「いいなあ…」
夏の終わりの高原の陽差しはキラキラと輝き、親友同士で冒険する二人の“子供”にとって、未知の土地もなんら不安を感じさせるものではなかった。

 †
「二人は、別荘地に志都子がやって来るのを待ったんですね?」
「はい。2時間近く二人だけで待ったことになります」
「もしかしたら、保さんが先に到着する可能性も十分にあったんじゃないですか?」
「その通りです。志都子はそれでも一向に構わなかった」季一郎は言った。「むしろ、そう予想していました」
「どういうことですか?」
「タカシ君とシゲには、保さんが現れても自分が着くまでどこかに“ずっと隠れているように”指示していたのです」季一郎は言った。「保さんを別荘地に呼び出し、あの桜の木の下で会う。それだけでも十分に満足だったと、志都子は振り返っていました」

 †
「シゲ!こっちに来てみろよ」タカシが崖の下から叫んだ。「滝があるぞ!」
「だめだよ」土手の上から、シゲが言った。「表を見張ってないと…。志都子さんが、ずっと隠れていなさいって言っただろ。驚かせないとつまらないからって」
「まだ時間があるだろ?」タカシの声が、せせらぎのほうから聞こえる。「こっちに来いって。でっかいダムを作ろうよ!」
シゲは、左手のロンジンのクロマティックを確認した。
「4時25分…」シゲは指示された通り、従順に見張りを続ける。「ダメだ。見つかったらいけないんだ。オレはここで見張る」
蝉の鳴き声と渓流の水音が、“少年の叫び”をかき消していた。

 †
「保さんよりも早く別荘地に到着した志都子が、シゲと渓流に降りてみると…」季一郎はハンカチを出して溢れる涙を拭った。「タカシ君が、滝つぼにうつ伏せに浮かんでいました…」
「なんだって!?」刑事が大声で叫んだ。「タカシ君は、水死したというのか?!」
「山上さん。私の依頼人が偽証をする意味は、もはや何もありません」片岡弁護士は言った。「ここに来て自ら話をしている彼の心情を、どうかご理解下さい」
山上は長い息を吐き出し、無言で頷いた。
「シゲが泣き叫びながら水に飛び込み、なんとか救い出したといいます」季一郎は言った。「引き上げた時には、まだタカシ君はもうすでに仮死状態だったそうです」

 †
「タカシちゃん!タカシちゃん!」志都子は、子供を揺すりながら絶叫する。「死なないで!お願い、死なないで!」
志都子は、憶えのあった人工呼吸の救急措置を必死に続ける。
1分、5分、10分…。
しかし、濃い紫色に変わったタカシの唇が再び息を吐くことはもう二度となかった。
ずぶ濡れのシゲは、タカシの傍らで子供のように大声で泣き続ける。
何を言っても、錯乱したシゲの耳には届かなかった。
志都子は放心し、しばらくその場に成す術もなく立ち尽くしていた。
いつの間にか、夕闇が森の奥深く迫ってきていた。
「死ぬしかない…。一緒に、桜の木の下で永遠に眠ろう…」
志都子は、さっき敷地の横に見た資材置き場に走り、スコップとランタンを見つけて戻ってきた。
「シゲ、お墓を掘りましょう。タカシ君のお墓を作りましょう…」
泣きつかれたシゲは、最後に残った頼りにする女性の言うことに忠実に従おうとしていた。
絶望の闇が、静かに森を覆い始める。
「タカシ!タカシ!」
遠くから子供を求める父親の声がする。
「タカシ!タカシ!どこにいるんだ!」
想い続けた男の声を聴いた志都子は、密かに自らの最期の時をイメージしていた。



#80 流浪の民に続く…

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2011年04月13日

#78 禊(みそぎ)の時

story by ワダマサシ



――月曜日、午前11時。
オフィスに向かうAZの携帯が着信した。
「もしもし、山上だ。和江さんの手術は確か今日だったな」
「はい。あとで病院に様子を見に行ってきます」
「そうか…」刑事は、次の台詞の前に深い溜息を一つ吐く。
「どうしたんですか?」
「地検が、諏訪季一郎の公訴を断念したよ。いや、季一郎の方が公訴されるのを諦めたと言うべきか…」
「やっと真実を受け入れる気になりましたか」
「今日の午後に面会することになった」刑事は言った。「もう済んだことなのに。私に詫びでも入れるつもりだろうか…?」
「山上さん、きっと季一郎は禊(みそぎ)として真実を語りたいんですよ」AZは、気の抜けたような声の刑事に念を押す。「必ず真相を聴きだしてくださいね」
「ああ…」


―午後2時。桜田門、警視庁。
微かにあのポルトガル製のコロンの馨りが漂っている。
用意した応接に入っていくと、二人の紳士がもう刑事を待っていた。
「山上さん、あなたを欺くような真似をして、本当に申し訳けなかった」片岡弁護士は真っ白な頭を下げ謝罪した。「私の依頼人は、自分を苛(さいな)んできた罪悪感を鎮めるために、法律を利用し自ら罪を被ろうとした。そして、私はそれに加担してしまった…」
「申し訳けありませんでした…」諏訪季一郎が、机に額が触れるほど頭を下げて言った。
「顔を上げてください」山上は冷静に言った。「法はもうあなたを咎めない。でも被害者のご遺族の心を癒すには、あなたの協力が必要だ。今度こそ真実をお話いただけますね?」
諏訪季一郎は、黙って頷いた。
「では、始めましょうか」山上はICレコーダーを二人に示し、RECボタンを押した。「1980年9月1日に坂東隆君を誘拐し、翌日那須の別荘地で殺害したのは、あなたではなく諏訪志都子だったんですね?」
「なんと申し上げたらいいものか…」季一郎は小さな声で、でもはっきりと言った。「あれは正確に申し上げれば、誘拐事件ではなかったんです」
「と言いますと?」
「志都子から、時間をかけて真相の全てを聴いています」季一郎は言った。「その私でも、なぜあんな事が起き得たのか、時々解らなくなる…」
「では、あの事件はなんだったんですか?」
「偶発的に起きた、無理心中事件と言った方が的を得ていると思います」
「無理心中…?誰が、誰と、心中を謀ろうとしたんですか?」
「志都子が…、坂東保さんと…です」

  †
「ほら、きれいでしょ?」志都子は、“山桜の写真”をタカシに見せる。「これから、“この木”を見にいかない?」
シゲとの不埒な逢瀬の現場をタカシに見られ、追い込まれた志都子は、知らぬうちに破滅への階段に足を踏み出していた。
――もう、私は死ぬしかない。
イメージの中で膨らみ出す、想い続けた人との“あの山桜の根元での死”…。
「ほら、こっちの写真も見てごらん」志都子は、“保が桜の前に立つ写真”をタカシに見せる。
タカシは抗不安剤の微かに溶け込んだ飲み物のせいで、警戒心が薄れてきていた。
「あ、お父さんだ…」タカシは嬉しそうに写真に指を置く。「そうか、お父さんはここに行ったことがあるんだね」
「ここを見て」志都子は、“写真の裏に書かれている文字”を見せる。「今度一緒に見に行こうって書いてあるでしょ」
「ホントだ!」見慣れた父の文字の安心感が、タカシを後押しする。「おばちゃんも行くの?だったら、ボクも絶対に行きたい!ねえ、シゲはどうする?」
「行きたい。オレは、もうどこにも行くところがないから…」シゲはいつもよりずっと寂しそうな目で言った。「どこにでも、連れてってくれ…」
「そうだ…!」志都子は二人を利用し、保をおびき出すことを思いつく。「お父さんにも、来てもらおうか」
「急には無理だよ。きっと、お母さんが怒る…」タカシは眠そうな顔で言った。
タカシの“お母さん”という言葉が、志都子の邪悪な嫉妬心を強く刺激した。
「じゃあ、私たちが内緒で行きましょうよ。そうしたら、お父さんは迎えに来てくれるんじゃない?」
夏休みを終えたばかりのタカシの頭の中では、皆で密かにどこかの森に行くことは、黙ってプールに行くのとさほど変わりはなかった。
「だったら…。ボクが誘拐されたって言ってみたらどう?」タカシがいたずらっぽい瞳で言った。「そしたら、心配して絶対に助けに来てくれるかもよ」
「そ、そうね…」志都子は、咄嗟に子供の幼い企みに乗ってしまう。「それは、いい考えだわ」

 †
「それでは…」山上がペンをテーブルに置き、改まって訊ねた。「事件はまったく計画されてはいなかったと?」
「もし綿密な計画が立てられていたなら、すぐにどこかで破綻したのだと思います」季一郎は言った。「あまりにも無計画な出来事だったからこそ、28年間も真実が露呈しなかった。私はそう思う…」
「しかし、まさか子供の方から誘拐を持ちかけたとは…」
「なぜかは私にも分かりません。でも二人は、考えられないほど志都子に従順だったのです」
「誘拐ごっこか…」山上は呆然と呟いた。「発作的に家を飛び出し、千キロも離れた駅で見つかる幼い子供もいる。新学期が始まる頃、特に多い事例ではあるが…」
「山上さん、私は決して事の発端を子供に押し付けようとしているわけではない」季一郎は真摯な態度で付け加える。「子供の無邪気な思い付きをヒントに行動してしまった志都子が、どこまでも罪深いのですから」
刑事は小さく頷いた。「…続けてください」
「シゲが犯人役を買って出て、夕方になってから脅迫の電話をかけました」季一郎は言った。「台詞は幼稚で拙いものでしたが、子供の親を脅すには十分だったのです。翌日投函された脅迫状も、タカシ君とシゲの二人で考えたものでした」
「真実は、時として想像を凌駕する…」ゆっくりと立ち上がった片岡弁護士が窓辺に進み遠くを見た。
「タカシ君は、抗不安剤の力で夕方から翌朝までぐっすりと寝込んでしまいました」季一郎は言った。「たった一晩でも、人様の子供を薬で眠らせ拉致する結果になったことで、志都子はもう二度と後には引けなくなったのです。これが坂道を転げ落ちる最後の引き金になりました」
「なるほど…」
 
 †
翌朝早く、タカシとシゲは遠足にでも出発する気分で、志都子の部屋を出て行こうとしていた。
「おばさんは、まだご用があるから向こうで会いましょう」志都子は、玄関で二人を見送った。「シゲ、ちゃんと言った通りにするのよ」
シゲは黙ったまま忠実な家来のように頷いた。
「ナスって遠いの?」人気ない早朝の裏路地で、タカシが欠伸をしながらシゲに訊ねる。
「オレの生まれたところより、ずっとずっと近い」シゲは言った。「何度も通り過ぎたことがあるから、タカシは心配するな」
「なぁんだ、近いのか」
二人は他愛のない会話をしながら電車を乗り継ぎ、午前7時には上野駅に辿りついていた。
ラッシュ時刻の迫るターミナルで、人混みに紛れる仲むつまじい二人の存在を気にかける者は誰ひとりいない。
「あれだ」シゲが指示された東北本線改札前の伝言板を見つける。「オレは字が下手だから、お前が書けよ」
「うん、いいよ」タカシは白いチョークを笑顔で受け取った。「ええと…」
『13時36分発、まつしま7号、西那須野駅前の伝言板で。隆』

 †
「伝言を書いたのは、タカシ君本人だったと?」山上は訊ねた。
「おそらく、そうだと思います。シゲは字を書くのがひどく苦手でしたから」
「計算外とは言え、息子の筆跡は保さんに言い知れぬ恐怖を与えたことだろう」山上は言った。「伝言を書いたあと、二人は?」
「実は…。伝言板の前に保さんが現れるのを隠れて見張っていたらしいのです」
「なんだって?!」山上は、荒唐無稽にも思える真実に溜息をつく。「誘拐された子供が、身代金を持ってきた父親を見張っていたと?」
「そういうことになります…。志都子も、保さんが本当に那須まで来るのか半信半疑でした」
「それで、伝言が伝わるのを確認したかった…」
「はい。なぜか命じられた二人は志都子に不思議なほど従順だった」季一郎は先を続けた。「保さんが切符を買いにいくのを確かめると、二人は一足先に西那須野に向かいました」
「わざわざ小さな駅を選んだのは?」
「志都子はそれまで那須に行ったことがなかった。時刻表の那須の文字を見て、最寄り駅と想像したのでしょう」
「なるほど…」
「後から追いかけた志都子は窓口で尋ね、特急の停まる黒磯駅を選ぶことが出来た」季一郎は深くしわの寄った掌に目を落とす。「それが結果的に保さんに追いつくための時間稼ぎになったのです」
「なんということだ…」片岡弁護士が、窓の外を見たまま何度も首を横に振った。


#79 真実の森に続く…

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posted by エンジェル・ハンズ at 09:04| Comment(0) | タイム・キラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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